『アララトの聖母』

『アララトの聖母』



アルメニアの画家アーシル・ゴーキーの絵画をモチーフに、絵に秘められた
150万人ものアルメニア人大虐殺の悲劇と現代の母子のエピソードを交錯させて描いた野心的な大作。
現在と過去、現実と虚構がつづれおりをなすドラマを通じて、
母と子、国と人、芸術と人間との絆をみつめた壮大な叙事詩である」


とりあえず、トップページの予告編観ただけでシビレました。


アドルフ・ヒトラーが、

「トルコのアルメニア人虐殺が許されるなら、ユダヤ人の虐殺も許されるはずだ」

というセリフを吐いたことがあると、昔何かの本で読んだ記憶がある。

第一次世界大戦中にトルコ人が行った、数百万人にものぼる、『アルメニア人大虐殺』
の歴史的事実については、個人的に以前から関心を持っていた。

トルコ人によるクルド人虐殺については、世界的に知られているが、
アルメニア人をも虐殺したことを知っている日本人は、あまりいないのではないか。

トルコから追放されたアルメニア民族は、ユダヤ人のように世界中に離散して
異郷で辛苦を味わう結果になる。

余談だが、小説『ナリン殿下への回想』でもって昭和13年直木賞を受賞した幻想・伝奇小説の大家、
橘外男の小説 『妖花ユウゼニカ物語』では、「満州」に流れ着いてきた、
メルセーニカとユウゼニカという美しく聡明なアルメニア人姉妹の、関東軍に対する復讐劇が、
橘外男独特のあの妖艶な筆致で繰り広げられるからタマラナイ。
傑作なので(未完だけど)、興味がある方は読んでみて下さい。中央公論社から出てます。



さらに全然関係ないけど、NHKのモスクワ支局長の石川一洋氏ってラスプーチンにそっくりだよなあ。
ロシア人もびっくり。
あと、『世界ウルルン滞在記』で、ぜひ俳優の岡田真澄スターリンのコスプレさせて、
生まれ故郷のグルジアを訪問させるという企画を実現してはくれないだろうか。