おれは頭を抱えていた。涼宮ハルヒがまたとんでもないことを言い出したのだ。 「いい!? 1953年3月5日、ヨシフ・スターリンは自然死などではなく、誰かに謀殺されたのよ! きっとそうに違いないわ! 我々SOS団の力を結集して、スターリンを殺した真犯人…
大学の、文芸室のことだった。 ドアを開け、室内に入ると他の部員はおらず、ただ一人、三回生の先輩の京子さんが部屋の奥の椅子に腰かけ、文庫本のページをめくっていた。 先輩は時おりほほにかかる長い黒髪をわずらわしげにかきあげ、読書を続けていた。 私…
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