長い旅の記録

さてさてさて 良い子のみんな カレイドスターの始まりだよ!

と、土曜の朝はいつも早起きしてこのアニメを観てる28歳男子(職業:スーパーフリーダムマン。
いつかアメリカ西海岸に渡ってショウビジネスの世界で大成する夢を捨てきれない夢見るドリーマー(同語反復))
ですが、
マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ』のことを、『ぴちぴちビッチ』と、かたくなにビッチビッチ、
いくら自分に言い聞かせても言語野が壊れた脳がそう認識してしまうのでとても困っています。
なので、今度、地元の区の民生課に相談に行ってきます。


そんなこんなで、今日は、午前中から有楽町に行って、『9000マイルの約束』を観てきました。

「シベリアから祖国ドイツまでの遥か9000マイルを、3年の歳月をかけて歩き続けた男の真実の物語」

↑なんて、この映画のコピー、卑怯すぎます。オレがこういう話に弱いってこと、なんで配給会社は知ってるんですか?(関係妄想)

実話ですよ、実話。ほとんどアラスカの隣と言っていいぐらいの極北、シベリアの辺境のラーゲリ(収容所)
から脱走したドイツ兵が、14,000kmを歩いてユーラシアを横断し、ドイツのふるさとの我が家まで還るんです。
正気の沙汰じゃありません。この帰還距離。
なんか、パンフレットによれば、これ、ヨーロッパじゃ結構有名な話らしいですが。
わたしとしては、滝沢聖峰の漫画、『ウクライナ混成旅団』のラストシーンを思い出しました。(ウクライナラーゲリを脱走したあの主人公の日本兵は、結局生きて祖国に還れたのだろうか?)


映画の方ですが、冒頭、ソ連軍の捕虜になった主人公、いきなり「25年の重労働刑」を宣告されてシベリア送りに。
個人的にシベリア抑留マニア(めちゃくちゃ不謹慎きわまりないマニアだな)なので、

「国内法であるロシア国刑法第58条を外国人に適用して25年刑を宣告するいつものソ連流不条理裁判キター!!!」

と、一人心の中で大喜び。(←間違った映画の観かたの例)

いや、でも、本当にディテールに嘘ついてない、真面目に作った(なおかつ、アドベンチャー映画的エンタメ風味も織り交ぜた)良い出来の映画でした。

護送列車の中で、塩漬けニシンをむさぼり食ったせいで喉の渇きに苦しめられたり、
ツンドラ地帯を逃亡中、凍傷になりかけた足を、トカレフで撃ち殺したアザラシの死体の中に突っ込んで温めて治したり、
シベリアの少数民族が雪盲防止用にちゃんとスリット式の手製サングラスをかけてたり、
町の広場のスピーカーから流れる公安放送の前奏曲が、『スラブの娘との別れ(Прощание славянки)』だったり、とか。

あと、映像がすごくキレイ。
撮影監督が、『シベリアの理髪師』や『コーカサスの虜』を撮ったロシアのパーヴェル・ルベシェフだとパンフで知ってそれも納得。
特に、最後の方の、ソ連−イラン国境の検問所のシーン。(実際にはカザフ−ウズベク国境で撮影されたそうです)
もう、美しくて、懐かしくて、ああ、これは中央アジアの風景だ、大学生のとき旅して見た風景と同じだ、
もう一度あの土地へ帰りたい、死ぬ前に絶対また中央アジアに行こうと、決意したりして。


総評:金と暇のある人は観にいったらいいと思います。損はしません。 


映画を見終わったあと、plutoさんと一緒に秋葉原へ行ってブラブラ。
のち、アパートへ帰還。