故郷と異郷の幻影
メキシコ!
最近、毎日1冊寝る前に本を読んでいます。
今日は『故郷と異郷の幻影』。
ギャッ! 傑作!
「故郷と異郷」を題材にした十二編の戦後短編小説からなるアンソロジー。
・井伏鱒二「貧乏性」
(パワーや。パワー。井伏鱒二は文学界のゴッドや)
・長谷川四郎「シルカ」
(↑オレの小説作法の神様。どれくらいオレが長谷川四郎の作品を愛しているかというと、彼の代表作『シベリヤ物語』一冊と、部屋にあるエロ同人誌100冊のどちらを焚書にするかと脅されたら、チュウチョ無くエロ同人が灰になる方を選ぶぐらい好き)
・小林勝「フォード・1927年」
(「(もう一週間もすれば後にいる健康な男は出発して行くだろう、ぼくの指の骨を彼の胸のポケットへほうりこんで)とぼくの心がつぶやく。」――……そうして主人公の兵士は引揚地にたどり着く前に、中国大陸の名もない村の民家で、ひっそりと死んでいくものと思われる)
・木山捷平「ダイヤの指環」
(没法子(メーファーズ)、ケセラセラ。人生、死なないで生きてればなんとかなる。たぶん)
・辻邦生「旅の終り」
(この作品の文体、今度、パクろうっと)
・石牟礼道子「五月」
(水俣病の話。こういう過酷な現実を前にすると、オレのような無職ひきこもりオタがいかに卑しい存在かよくよく分からせてくれる。……あと、この本には関係ないけど、石牟礼の『西南役伝説・拾遺二――草文』のあらすじを、むかし宝島社の『精神病を知る本』で読んで魅了されて以来、『西南役伝説』を探し続け、復刊されたモノをようやく最近手に入れ読了したが、ほんとに大声で泣き叫びたいぐらい感動した。ココロの宝物の一冊になった)
・五木寛之「私刑の夏」
(この作家いま、ノホホンとテレビ番組で寺巡りなんかしてるけど、彼もまた引揚げで地獄を見た多くの日本人の一人なんだよなあ。あと、『戒厳令の夜』のラストは失敗してると思います)
・森敦「弥助」
(『月山』まだ読んでないや。読まなきゃ)
・林京子「雛人形」
(「優れた女性的感性を有した作家」と彼女を評するのは、性差別になるのだろうか?)
・光岡明「行ったり来たり」
(つまらん)
・小田実「「アボジ」を踏む」
(ベ平連って結局なんだったんですか?)
・島田雅彦「ミス・サハラを探して」
(小田急線読売ランド付近に在住の作家。島田雅彦については個人的にいろいろ関心を持っている)
オラ、マリみての志摩子さんと結婚してえ。