下校途中

「お嬢さん、ちょっとよろしいですか。コーカンド汗国にはどうやって行けばいいんでしょう?」
「……すいません、地元の人間じゃないんで、良く知らないんです。
……でも、夕陽が見える方向に進めばいつかは到着するかも」
「ありがとうございました。とりあえず西の方へ向かってみます」
「あの……」
「はい?」
「歩きはかなり大変だと思いますよ。そこの図書館前から市電に乗って行かれたらどうでしょうか」
「ああ、あの路面電車。かさねがさね申し訳ない、お嬢さん」
「いえ。たいしてお役にも立てずに。……それではお気をつけて。良い旅を」