大古本まつり

池袋のサンシャイン60にあるハローワークに行った。
ハローワーク自体は、20分ぐらいで職探すのめんどくさくなって、すぐに出てしまった。


ふと、「サンシャインシティ大古本まつり」の看板が目に入る。

ちょっと冷やかすかと思って、会場に。


……四時間後。

古本がごっそり詰め込まれた紙袋を両手にぶらさげて、どこかしら呆然とした面持ちで
サンシャイン60から出てくる無職風の男の姿が……。


今月も、毎日食パンかじって暮らすの決定だな……(涙)。


えー、「サンシャインシティ大古本まつり」、素晴らしい品揃えでした。
今度の日曜日までなので、池袋近辺の人は急いでレッツラゴー。
戦前の軍事関係書とか、終戦直後のカストリ雑誌(エロ関係ばっか)とかの珍しい本もいっぱい売ってました。

今回の散財での最大の収穫は、

山中峯太郎の小説 ノモンハン戰祕史 鐵か肉か』を手に入れられたこと。
(昭和十五年七月十八日発行――ちなみに、私が手に入れたのは、一ヶ月後の同年八月十五日刷りの物で、奥付ではなんと第百版!になってる。当時はこの本、すごいベストセラーだったんだろうなあ)


以前、この本を、自分の散文でネタにしてたのだが、まさか実物を入手できるとは思わなかった。


他にも、

陸軍大尉・草葉榮著 ノモンハン戰車殲滅戰記 ノロ高地』
(昭和十六年二月発行で、そのとしの十一月にはなんと四百五十版を重ねてる!)

を購入。

ぱらぱらページをめくって内容を見たが、次の一文に思わず爆笑。

「「連續各個に撃てッ!」と思はず自分の口から飛び出してゐた。轟然發射すれば、見よ!
乗用車に肉薄してゐた最先頭の敵戰車は「ボーッ!!」と忽ち異様な唸りを發して凄まじい火焔を吐き出したではないか!
萬歳!! 萬歳!!
期せずして全員叫ぶ萬歳の聲!正に天に冲せん許りである。恨らくは讀者の、この快味を味はふ事の出来ざるを……。」


いやあ、勇壮だなあ。


あと、「ソビエト内外政策研究会」なる怪しげな団体が1981年に翻訳出版した、
『ソ日関係小史』(イワン・タムギンスキー著)という本もゲット。

「……しかし、日本の内外には、日本を別の道に押しやろうとしている勢力が存在している。
それは軍事力の増強こそ、民族的偉大さを示すものと見ている排外的愛国主義層であり、また、
東京を極東と中東における米帝国主義の冒険の積極的共犯者に仕立てあげようとしている
ワシントンである。またそれは、反ソを基盤に中日接近の橋を架けようとしている北京である」


……どうやら、我が親愛なるソヴィエト連邦は、アメリカだけでなく中国も相変わらずお嫌いなようで。



なんか再就職活動どうでもよくなってきた。