白い田圃
「入隊以来、私は何度、脱走を空想したことだろう。実際には、できはしない。少年の日に、 馬賊の頭目になった自分を空想したのと同じように、二十六歳の私は、空想で脱走し、女たちと所帯をもつ。 フィリピンでは、オニヤンという名の混血娘と結婚したし、ビルマではマッタンチンと結婚した。 先刻は、十字架を下げたカレン娘と結婚したし、これから先も、結局、空想だけで実際には逃亡せず、 幾人かの女と結婚して、――だが最後は、死んでしまうのだろう」 古山高麗雄 『二十三の戦争短編集 (文春文庫)』収録『白い田圃』より
俺も毎日日替わりでいろんな二次元美少女たちと脳内で結婚してます。そして多分死ぬまでそれを続けるのでは、ないかと、思うわけで。